2006-09-21

Seagram's Exta Dry Gin

きのう言った強い酒の正体。

これまではビールの話題ばかりだったけど、実は僕、そんなにビールばかり飲んでいるわけではない。というより、ほとんど夏季限定と言った方がいいかもしれない。夏以外は、ごくたまに気まぐれで飲むくらいのものだ。なにしろ、昔はビールが苦手な方だった。味は好きだったが、なかなか大人しく胃を通過してくれないビールは僕にとって飲みたくても飲みきれないものだった。自然なペース配分を覚えるまで、僕とビールはすれ違いの日々を送っていたってわけだ。ところが、奇妙なもので、ビールが苦手だったにも関わらず、それよりはるかにアルコール濃度の高いスピリッツ類はまるで平気だった。なかなかご縁のないアクアヴィット以外はみなそれなりに飲んでいる。わけてもよく飲むのが、ジンというわけだ。

ジンは穀物を原料とした蒸留酒で、ウォッカの親戚のようなものだが、その最大の特徴はジュニパーベリーJuniper berryによって香り付けされていることだ。だから、ジンを飲むとハーブの爽快感が舌と鼻に強烈な刺激を残してゆく。けれども、テキーラなんかに較べると自己主張は強い方ではないので、カクテルに好んで使われる。

ところで、ジンに香り付けしているのはジュニパーベリーばかりというわけではない。大概の銘柄は他数種類のボタニカルとブレンドして漬け込み、銘柄独特の香味を出すのだ。なかには「漬け込む」という方式を採らない銘柄(ボンベイ・サファイア)もあるが、それについてはまたの機会に譲ろう。とにかく、ジンの愉しみ方は、このボタニカルのブレンド具合を味わい分けることにもあったりして、奥が深い。珈琲や紅茶みたいな愉しみ方ができるってわけだ。なんというエンターテイメント性。

僕が飲み比べた感じでは、その方向性には二種類の傾向があるように思える。ひとつは、ゴードンのような、クールな感じのするもの。いまひとつは、ビーフィーターのような、柑橘系の柔らかな香気を持ったもの。写真のシーグラムは、明らかに後者だ。

さて、ゴードンやビーフィーターが本場イギリスのドライ・ジンであるのに対し、シーグラムはアメリカ代表。あちらではトップ・ブランドに位置づけられるほど普及している代物で、日本にも輸入されている。ストレート・ロックでもカクテルベースでもいけるユーティリティープレイヤーだ。こいつをうんと冷やしてロックで飲むのは、暑気の抜けきらない涼しさを感じるこの季節にはもってこいの愉しみ方だ。もちろん、ジントニックやジンパック、ギムレットなんかもいい。一般家庭でも手軽に作れる飽きの来ないカクテルだ。外で飲むなんて野暮なことはやめて、家でじっくり飲むのはいかがだろうか。

シーグラムズ・エクストラ・ドライ・ジンは、日本ではキリンが輸入販売している。でも、ライセンス生産しているわけではないので、ちょっと手に入りにくいかも。

◎Seagram Gin/KIRIN
http://www.kirin.co.jp/brands/sw/seagramgin/index.html

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